腰痛の原因は腰だけに限らない!?
人間にとって腰は体の真ん中にあるものです。上半身を支える一方で、下半身の動きをつかさどる部位でもあるため、体を動かす際には欠かせないものといえるでしょう。
それゆえ、日常生活でも常に腰は負担にさらされています。歩くときや立っているときも腰の筋肉は使われていますし、座っているときは特に負担がかかりやすくなるのです。唯一腰が休まっているのは、寝ているときくらいのものでしょう。
そして、この腰が何かのきっかけに痛むようになってしまったら日常生活をするのが大変になってしまいます。運動をすることは痛みの程度によっては出来なくなってしまいますし、場合によっては座っていてもつらい、ということもあるでしょう。といっても一日中寝ていると筋肉が落ちてしまいますし、かえって健康を損ねてしまいかねませんから、腰痛に陥った際は早急に治療するのが一番です。
さて、皆さんは腰の痛みに悩まされたらどのような処置をするでしょうか? 腰に湿布を張ったり、塗り薬を張ったり、マッサージをしてもらったり、対処法は様々でしょう。もちろんそれによって痛みが取れることもあるでしょうが、中にはいくら処置をしても腰の痛みがなかなか治らない、という方もいらっしゃいます。患部に直接働きかけるのが治癒の最短ルートに見えますが、腰痛に関してはそれが当てはまらないケースもあるようです。では、腰痛の原因はどこにあるのでしょうか?
腰痛の原因は特定しづらい!?
実は、腰痛を訴えて整形外科に受診した患者さんのほとんどは原因を特定できていない、というデータが残っているのです。もちろん腰のレントゲンを撮影して、ヘルニアや腰椎の損傷などが見つかるケースもあります。
ヘルニアは椎間板の間にある髄核というものが圧迫によって外に押し出されることで生じるものですから、腰をしっかりと検査すれば見つからないことはありません。ですが、それ以上にレントゲンを撮影しても腰には特に異常が見当たらなかった、という患者さんのほうが多いのです。
では、腰の痛みはどこから引き起こされているのでしょうか? 治療院に行っても見つからなかったけれど、他のところに受診したら腰痛の原因が分かった、というケースは少ないながら確認されています。
たとえば腰に近い泌尿器や子宮などにトラブルが起こり、それによって神経が傷つけられ、回りまわって腰痛に発展するというのがその例の一つです。その他、胃が原因になっていたり、心臓が原因になっていたりと、原因は様々です。
人間の体に張り巡らされている神経は複雑にできていますし、中には自覚症状がないのに実は臓器に異常があった、という患者さんも少なくありません。とはいえ、患者さんに心当たりさえあれば特定できないことはないでしょう。一方で、体の内部からくる異常が原因ではない腰痛も存在します。
生活習慣が腰痛を引き起こす?
たとえば運動不足が腰痛を引き起こす、というのは皆様にとってもよく聞かされる話でしょう。ただ、医学的に見て運動不足が腰痛とどんな因果関係を持っているかはまだ明らかになっていない部分が多いのです。運動によって筋肉が鍛えられないことで腰痛が起こるのか、それとも運動神経が弱ってしまって腰痛が起こるのか、といったことははっきりと特定できないのです。
もし運動不足が原因とわかればしっかりと運動をしましょう、というアドバイスができるのですが、特定できないからには根本的な原因を解決できるはずはありません。そういう場合、あくまでも病院では患部のケアを中心的に行うことで腰痛を和らげるようにしています。
また、生活習慣が原因になって起こる腰痛以上にさらに厄介な腰痛も存在します。それは精神的な不調が原因になって起こる腰痛です。近年、うつ病などの精神疾患に悩まされる人は多くなってきていますが、彼らもただ単に精神的な不安を抱えているだけではありません。心の病が神経に影響を及ぼして腰痛を引き起こすこともあるのです。
心の病のケアについては時代を経るにつれて対処法が確立されつつありますが、心の病が引き起こす肉体的な痛みについては、まだまだ未解明な部分が多いので多くの医者が頭を悩ませています。皆様も腰や他の部位に異常はないはずなのに腰痛がひどい、という場合は心を疑ってみるべきかもしれません。
慢性的な腰痛の治療は治療院へ!
近年はテレビやインターネットなどで健康法を学べる時代になりました。腰痛についてのケアもメディアを通じて知る、という人も多いでしょう。
とはいえ、初期の腰痛についてはそれで治るかもしれませんが、慢性的な腰痛は腰をケアするだけでは治らない可能性が高いのです。腰をどれだけケアしても痛みが取れない、という場合はやはり専門機関にいくべきでしょう。現在では病院のほかにも接骨院や整体などが普及しているため、患者さんにとっては様々な方法を試せる時代となっています。
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