痺れは、放置すると慢性化してしまい、日常生活に支障をきたす恐れもあります。ひどい痺れではないからと、我慢しながら日常生活を送っている人も多いのではないでしょうか。痺れの症状は、たとえ医療機関で治療を受けていたとしても、適切なセルフケアも重要です。そこで今回は、痺れへのセルフケアの必要性、そして日常生活に取り入れやすいセルフケアの方法を詳しく解説します。痺れに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
痺れの改善にセルフケアが必要な理由とは?
痺れを感じた時、多くの人が「すぐに病院に行かなくては」と考えるかもしれません。たしかに、原因が特定できない痺れは、放置すると重篤な病気のサインである可能性も考えられます。しかし、痺れの中には、適切なセルフケアを行うことで改善できるものも数多く存在します。ここでは、痺れの改善になぜセルフケアが必要なのかを解説していきましょう。
早期発見・早期治療につながる
たとえすでに医療機関で痺れについての治療を受けていたとしても、セルフケアは非常に有効です。セルフケアを行うことで、治療の効果を高めることが期待できるのです。また、毎日同じ部位を触ったり、動かしたりすることで、症状の変化に早く気づくこともできるでしょう。自分の症状を詳しく把握できていれば、医師にも正確に伝えられ、適切な診断や治療につながるはずです。
生活の質の向上
痛みや痺れの適切なストレッチや運動を行うことで、筋肉の緊張をほぐし、痛みや痺れの軽減が期待できます。自宅でできる簡単な体操やマッサージも、血行を改善し、神経への栄養供給を促します。自分でできることを行えば、症状に対する不安も軽減でき、精神的な安定にもつながるでしょう。
医療費の削減
自宅でできるセルフケアを積極的に行えば、通院回数を減らすことが期待できます。痺れの症状が改善すれば、薬の服用量を減らせる可能性もあります。
日常生活に取り入れられる!痺れへのセルフケア方法とは?
ここからは、日常生活に取り入れられる、痺れへのセルフケア方法を紹介します。生活に取り入れられるものから、実践してみましょう。
温めると痺れの和らぐことも
痺れの原因にもよるので、一概に温めると痺れが和らぐとはいえません。それでも痺れの症状がある程度落ち着いている慢性期には、温めると血流が促進されて痺れが和らぐことも多いのでおすすめです。
ただし、神経障害や糖尿病による痺れの場合、神経麻痺を伴うことが少なくありません。その場合は温め過ぎても気が付かず、火傷することもあるので気を付けましょう。
適度な運動やストレッチ
ウォーキングやストレッチなど、無理のない程度の運動を継続するのも、痺れの改善に効果的です。体を動かすことで血流が促進され、痺れの改善につながることが期待できるのです。また、運動によって筋肉が付くと、正しい姿勢を保持しやすくなるので、やはり痺れの改善につながります。ただし痺れの強い急性期には、無理に体を動かさず、安静にした方が良いでしょう。
ツボを押す
膝裏の外側にある腓骨神経内の血流を促進すると、痺れの軽減が期待できます。脛から足先にかけて足の前側に痺れの出ている場合は、「足三里(あしさんり)」のツボを押すのがおすすめです。ふくらはぎから足首にかけて足の後ろ側に痺れの出ている場合には、「陽陵泉(ようりょうせん)」のツボを押してみましょう。
バランスの取れた食事
ビタミンB1は、神経の働きに関与するビタミンです。ビタミンB6やビタミンB12が不足すると、末梢神経の障害を引き起こすと言われています。これら神経に関わるビタミンB群が不足することで、痺れの症状が現れている場合も考えられます。また、ビタミンEは、末梢の血液循環に関わる栄養素です。
特定の栄養素にこだわらず、バランス良く食事を摂るように心がけると良いでしょう。ビタミンB群が多く含まれる食品は、魚・肉・卵などです。ビタミンEが豊富なのは、葉野菜やナッツ類です。
正しい姿勢を保つ
悪い姿勢を長時間続けていると筋肉の凝りや血行不良を起こし、神経が圧迫されて痺れの原因になります。そのため正しい姿勢を身に付けるだけで、痺れの症状が改善することもあります。
ストレス発散・心配し過ぎない
痺れが続いてなかなか改善しないと、つい心配し過ぎてしまうものです。ところがストレスを抱えた状態が続くと、体がこわばって血流も悪くなり、痺れが悪化してしまいかねません。心配しすぎないようにして、自分なりのストレス発散方法を試してみましょう。
まとめ
痺れを放置すると重篤な病気につながる可能性があるため、早期発見・早期治療が大切です。また、治療をしている場合でも、適切なセルフケア方法を行うことで症状の改善を早め、日常生活の質を向上させることが期待できます。温熱療法やストレッチ、ツボ押しやバランスの取れた食事、正しい姿勢の維持やストレス管理などを、自身の症状に合わせて試してみましょう。ただし、セルフケアだけでは改善しない場合や症状が悪化した場合は、必ず医師に相談することです。
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