急性の腰痛の痛みは、一過性なのが一般的です。しかし、腰痛が長引くこともあり、慢性的な痛みに悩まされている方も多いでしょう。腰痛があると、日常生活においても支障が出てしまいます。では、腰痛が長引くのには、どのような理由があるのでしょう。普段の生活において、腰痛を長引かせる要因があるのなら、改善したいものです。本記事では、腰痛が長引く理由や、腰痛を予防するための注意点についてご紹介します。
腰痛が長引く理由
腰痛が長引くと、身体を動かすのが辛くなり、仕事や日常生活にも支障をきたすことがあるでしょう。腰痛が長引く理由としては、次の3つが挙げられます。
腰痛をかばう体勢
腰痛があると、腰をかばって不自然な体勢を取ってしまいがちです。しかし、痛みをかばって体を動かさないと、筋肉が硬直してしまいます。硬直した筋肉を動かすと痛みが生じ、不自然な体勢を取り続けることになるため、腰痛が長続きしてしまうのです。
中枢神経系が興奮状態になる
腰痛になると末梢神経から痛みの信号が中枢神経に伝えられ、痛みを感じます。しかし、腰痛により中枢神経が興奮状態になると、痛みがなくなった後も痛みの信号を伝え続けてしまい、さらに痛み以外の刺激も痛みとして認識されてしまうことがあります。このため、腰痛そのものは治まっていても、痛みを感じ続けてしまうのです。
ストレスや不安
ストレスや不安も、腰痛が長引く理由です。痛みに対する不安や恐怖が、活動を制限して痛みを長引かせてしまいます。また、ストレスや不安により痛みに敏感になるため、腰痛を長引かせてしまいます。
腰痛が長引くのは病気が原因の可能性もあるため注意
腰痛が長引くのは、病気が原因の可能性があるので注意が必要です。腰痛の原因と考えられる病気は、次の通りです。
腰の骨や筋肉の異常
腰の骨や筋肉に異常がある場合も、腰痛が長引きます。腰の骨に異常がある腰痛は、腰椎圧迫骨折や脊柱管狭窄症などです。また、筋肉を酷使し過ぎると、筋性腰痛になることもあります。骨の異常による腰痛は、コルセットで治療したり、重症の場合は手術をするのが一般的です。筋性腰痛は、揉みほぐすことで改善します。
病気による腰痛
少ないケースではありますが、臓器の病気が原因で腰痛が長引くこともあります。慢性膵炎や尿路結石などの病気は、腰痛の原因になることがあります。また、がんが原因で腰痛になることもあるため、長引く場合は注意が必要です。
非器質性の病気が原因による腰痛
精神的な要因で起こる腰痛も、長引いてしまいがちです。精神的な腰痛は、原因を特定しにくいため、長引いてしまう可能性が高くなります。適切な治療を受けることが大切です。
腰痛を予防する方法
腰痛を長引かせないためには、普段から腰痛予防を心掛けることが大切です。毎日の生活において、腰痛の予防に役立てられる方法は、次の5つが挙げられます。
運動不足
腰痛予防のためには、運動不足を解消することが大切です。現代は多くの作業がオートメーション化されており、重労働をする必要はありません。その分、腰の筋力が低下し、弱くなっています。適度な運動をすることで、腰回りの筋力を強化し、腰をサポートできるでしょう。運動をすることで筋肉や関節の柔軟性が高まり、腰椎への負担も軽減できます。結果的に、腰痛予防につながります。
悪い姿勢
悪い姿勢を正すことも、腰痛予防に必要です。とくに、立ち姿勢よりも座位の方が腰への負担が大きいため、注意が必要です。デスクワークをしていると、猫背になってしまいがちですが、頭が肩より前へ出た体勢は、腰への負担が大きくなります。また、車の運転中なども、姿勢が悪くならないよう気をつける必要があります。
肥満
肥満は、腰痛の原因の1つです。体重の重い方が腰への負担は大きいため、腰痛が起こりやすくなります。また、体が重いと体を動かすのも大変なため、運動不足になりがちです。そのため、肥満を解消することで、腰痛を予防できます。
過度の運動
過度の運動も禁物です。運動し過ぎると、筋肉が疲労し、腰痛を起こしてしまいます。過度な運動は避けましょう。ウォーキングやストレッチ、体感トレーニングなどがおすすめです。
睡眠不足
睡眠不足を解消することも、腰痛予防につながります。睡眠中に、体は筋肉や組織の修復を行います。腰痛を改善するには、筋肉や組織を休息させ、回復力を高めることが大切です。十分な睡眠を取り、身体の調子を整えることで、腰痛も改善できます。
まとめ
腰痛が長引く原因には、痛みをかばうための不自然な体勢や、中枢神経の興奮状態が挙げられます。また、病気が原因で長引くこともあるので、注意が必要です。腰痛を防ぐためには、普段からの予防が大切となります。たとえば、運動不足を解消したり、悪い姿勢を正したり、睡眠不足を改善することが効果的です。正しい姿勢や適切な運動を取り入れ、健康な生活を心掛けることが大切です。日常の生活スタイルに気を配り、腰痛を長引かせないようにしましょう。
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