頸椎ヘルニアは、頚椎の椎間板が後ろに飛び出し、頚髄を圧迫することで発症します。痛みやしびれ、手に力が入らなくなるなど、最悪の場合は日常生活に支障をきたす可能性もあります。頸椎ヘルニアになったら基本的に医療機関を受診し、専門家の指導の下治療に専念すべきです。しかし適切なセルフケアを行うことで、予防や症状の緩和も十分に期待できます。
頸椎ヘルニアのセルフケアにはストレッチがおすすめ
頸椎ヘルニアのセルフストレッチでおすすめは、ストレッチ運動を取り入れることです。首だけでなく、全身をストレッチすることで頸椎ヘルニアの予防も期待できます。頸椎ヘルニアが心配であれば、以下で紹介するストレッチを実践してみましょう。
首のストレッチ
頸椎ヘルニアのセルフケアとして押さえておきたいのが首のストレッチです。首から肩甲骨にかけて、僧帽筋や肩甲挙筋と呼ばれる筋肉が存在しています。これらの筋肉が凝ってしまうと首が前に突き出た格好となり、いわゆるストレートネックになってしまいます。
こちらのストレッチは座った状態で実践可能です。左手を頭頂部、右手の指先をこめかみ周辺に当てましょう。そして手で引っ張るような感じで頭部を左に傾けます。そのままの状態で15〜30秒キープできたら、元に戻して今度は左手が後頭部、指先は右耳の後ろの方に移動させてください。これで左前に頭部を傾けて、同じように15〜30秒その姿勢でキープしましょう。これを反対側の手で同じように行います。
肩のストレッチ
肩のストレッチ運動をすることで、僧帽筋から肩甲挙筋にかけての筋肉をほぐせます。こちらも座った状態で実践できるので、ちょっとした空き時間を使って毎日続けてみましょう。
やり方は、まずあごを引き、肩を強くすくめていく感じで持ち上げていきましょう。これ以上持ち上がらないと思ったところで、5秒ほどキープしてください。そして肩をストンと落とす、この肩の動きを1日15〜20回繰り返してみましょう。
体幹のストレッチ
猫背の姿勢を続けていると、首が前方に突き出すような形になってしまい、頸椎ヘルニアの原因になりかねません。もし姿勢が悪いという自覚があれば、体幹部のストレッチを行ってみましょう。まずは椅子に浅く腰掛けてください。次に骨盤の出っ張りのあたりに両手を添えましょう。
この状態で深呼吸しながら、骨盤を動かしていきましょう。背中の筋肉が動いている感じがするはずです。この骨盤を寝かしたり起こしたりを10回繰り返しましょう。骨盤が倒れた状態のままだと、猫背になってしまいます。こちらのストレッチをすることで、背中の筋肉がほぐれていくでしょう。
頸椎ヘルニアにならないために日頃から気を付けるべきこと
頸椎ヘルニアになる要因として、生活習慣も大きく関係しています。以下で紹介することを日ごろから意識すれば、頸椎ヘルニアの予防や症状の悪化を抑制することも十分可能です。
正しい姿勢を意識する
頸椎ヘルニアは悪い姿勢を繰り返していると、発症リスクが高まると言われています。人間の理想像として、生理的弯曲があります。私たちの首はやや前方に弯曲した状態が理想的な形です。頭の重みを逃し、椎間板に負担のかからない形状になっています。
これが猫背やストレートネックになると、頭部の重みをうまく逃せられません。椎間板に大きな負荷がかかり、飛び出してヘルニアの原因となってしまうわけです。首の形状や背中、胸のポイントを意識しながら、正しい姿勢を意識しましょう。
首に負担をかけないようにする
最近では長時間デスクワークで座りっぱなしという人もいるでしょう。パソコンの画面に何時間も向かい続けると、おのずと首が前に出っ張った格好になって、首への負担が増大します。またスマホを長時間見る人も、知らず知らずのうちに首に負担をかけています。
首に負担をかけ続けると、いずれは頸椎ヘルニアになる可能性もあります。そこで同じ姿勢を続けたのであれば、作業がひと段落したところで休憩をとるように心掛けましょう。いったんパソコンやスマホから離れて、首のストレッチなどを行いながらリラックスさせてあげましょう。
うつぶせ姿勢を長時間続けない
スマホを見たり読書したりするときに、うつぶせの姿勢を長時間続けていませんか?もしそうであれば、その姿勢は速やかに止めた方が良いでしょう。うつ伏せは頸椎の背屈やねじれを生じさせる姿勢です。頸椎は不自然な形で圧迫される形になり、周囲の筋肉をこわばらせてしまいます。頸椎ヘルニアになっている場合には症状が悪化する可能性があるため、姿勢を見直すようにしましょう。
まとめ
頸椎ヘルニアになってしまうと神経や脊髄が圧迫され、痛みが引かなかったり、しびれて歩けなくなったりすることもあり得ます。頸椎ヘルニアは姿勢の問題が大きく、首に過度な負荷をかけることによって発症リスクが高まります。頸椎ヘルニアのセルフケアとしてはこわばった首周りの筋肉をストレッチでほぐす、日常正しい姿勢を意識するなどがおすすめです。できるところから実践していきましょう。
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