頸椎ヘルニアとは、椎間板が飛び出すことで神経を圧迫する症状です。神経が圧迫されると首や肩に痛みを感じたり、腕がしびれたりすることもあるでしょう。頸椎ヘルニアの治療の一つにリハビリがあります。
早期にリハビリを始めることによって、症状の早期改善や再発の可能性を低減する効果が期待できます。ここでは頸椎ヘルニアにおける運動療法の方法や注意点についてまとめましたので、参考にしてください。
頸椎ヘルニアで運動療法が必要な理由
頸椎ヘルニアは保存療法や手術などで治療を行い、運動療法などのリハビリも進めなければなりません。ここでは、頸椎ヘルニアの治療の中で運動療法が必要な理由について解説していきます。
首は重たい頭を支えているから
首の役割の一つに、頭を支えることが挙げられます。人間の頭は非常に重たく、体重の1割程度を占めているほどです。体重60kgの人なら、頭部だけでも6kg前後の重みがある計算です。
重たい頭を首でうまく支えられないと、頚椎に大きな負荷がかかります。適切な治療で頸椎ヘルニアが改善しても、今までと同じような生活を続けていれば再発する可能性は高まります。
運動療法で正しい体の使い方を学ぶ
頸椎ヘルニアのリハビリの目的は、正しい体の使い方をマスターすることで過度に首に負担がかかるのを防止するためです。体の仕組みを把握し、首を支える筋力強化で頸椎にかかる負担を軽減するわけです。
リハビリをするためには、体の仕組みや筋肉の動きなど専門的な知識が求められます。そこで理学療法士の指導による運動療法を受ける必要が出てくるわけです。
頸椎ヘルニアの運動療法の内容について
頸椎ヘルニアの運動療法では、首の筋力を強化し、可動域を広げることが目的です。頸椎ヘルニア発症した患者を見てみると、多くの人が首の筋肉が十分でなかったり筋肉を適切に動かせなかったりしています。運動療法では、首の筋肉強化とスムーズに動かせるようなプログラムを組みます。
具体的には頸椎の間にある関節のストレッチや首のトレーニングで筋力強化を図ります。また日常生活の指導も運動療法の一環です。日頃の何気ない姿勢で頸椎に負荷をかけている可能性があるので、姿勢の指導や首に痛みを感じた場合の対処法について指導します。
運動療法を行うにあたっての注意点
頸椎ヘルニアの治療の一環として運動療法が効果的です。しかし運動療法を進めるうえで、いくつか注意点があるのでここで見ていきます。リハビリ実践する際の参考にしてください。
痛みのある時には直ちに中止する
首に痛みやしびれを強く感じたら、直ちに運動療法を中止しましょう。中には「多少無理してでもリハビリを続けたほうが良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし痛みやしびれなどの症状が出ているにもかかわらず、さらに首に負担のかかる運動をすれば、症状が悪化する可能性があります。
首に痛みやしびれなどの気になる症状が出た場合には、理学療法士や主治医に相談しましょう。専門家が適切に指導してくれるので、その指示に従ってください。
無理をしない
運動療法をする際には、無理しないことも注意点の一つです。頸椎ヘルニアのリハビリの中にはストレッチが効果的と言われています。ひねりなどの運動を伴いますが、「これ以上は無理」と思ったらそこまででやめましょう。無理に体をひねろうとすると、体のどこかに過剰な負荷がかかってしまうからです。
またストレッチなど運動をしているときには、呼吸を忘れないようにしましょう。ゆっくりと深呼吸するような感じで、ストレッチしてください。ストレッチする際には、ゆっくりとした動作を心掛けてください。早くやろうとすると別の筋肉を使ってしまうからです。
首に負荷のかかることはしない
頸椎ヘルニアのリハビリでは、日常生活における注意点もいろいろと指導されるでしょう。リハビリ期間中は、激しい運動は控えるべきです。コンタクトスポーツなど首や肩に大きな負荷のかかる運動は避けたほうが良いでしょう。
最近では長時間パソコンに向かって作業する人も多いでしょう。同じ姿勢を続けると、首に大きな負荷がかかり、頸椎ヘルニアの再発につながりかねません。デスクワークをしているのであれば、定期的に休憩をとり、首のストレッチなど筋肉が固まらないようにケアすることが大切です。
まとめ
頸椎ヘルニアが発症する原因は、頸椎に過度の負担がかかることです。運動療法によって、重たい頭部を支えられるような首の筋力強化や首の使い方をマスターすることにより再発防止も可能です。理学療法士によって、ストレッチなど頸椎ヘルニアに効果の期待できる運動方法、ならびに日常における注意点に関する指導がなされるはずです。またリハビリのやり方によっては、かえって症状の悪化を招きかねない点にも注意しましょう。ここで紹介した注意点などにも留意して、早期の症状改善に努めましょう。
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