脊柱管狭窄症の治療法の選び方は?脊柱管狭窄症の予防方法も紹介

腰痛コラム

脊柱管狭窄症を改善するには、適切な治療が必要です。治療を受けるためには、それぞれの治療法について知っておくことが大切です。また、脊柱管狭窄症を改善するために、避けるべきことや実践した方が良いこともあります。日頃から適切な行動を心がけることで、症状の悪化を防げるでしょう。本記事では、脊柱管狭窄症の治療法の選び方や、予防方法についてご紹介します。

脊柱管狭窄症の治療法の選び方とは?

脊柱管狭窄症の治療方法の選び方は、まず保存療法を行い、効果が見られない場合は手術を行います。どの治療法を選ぶかは、画像検査の診断や症状に基づくでしょう。保存療法とは、手術以外の方法であり、ブロック注射や薬物治療が含まれます。脊柱管狭窄症の治療法には以下の特徴があります。

ブロック注射

ブロック注射は痛み止めの効果があり、脊柱管内に薬液を流すため、尾骨から注射するのが一般的です。ブロック注射をすると、痛みの信号がブロックされるため、痛みを抑えられます。1回の注射で痛みを完全に抑えるのは難しいものの、複数回注射することで効果が得られるでしょう。対症療法ではありますが、痛みの原因物質を洗い流せるため、症状が大幅に改善することもあります。

薬物療法

薬物療法は、鎮痛薬や神経の薬、痛みに効く抗うつ薬などを服用することで、痛みを抑えられます。薬物療法も対症療法になるため、一時的に痛みを緩和できますが、服用を終えると痛みの再発することがあります。また、長期間薬物療法を続けることに、不安を感じる方もいるかもしれません。服用する薬や服用期間は、医師と相談してください。

手術による治療

手術による治療は、ブロック注射や薬物療法で効果が現れない場合の選択肢です。軽度の症状で手術が行われることは少なく、日常生活に大きな支障をきたしたり、歩行できなかったりなどの症状が進行している際に選ばれます。症状が進行している場合、放置すると後遺症のリスクもあるため、早目に手術する傾向があります。排尿・排便障害がある場合も、早目の手術が推奨されるでしょう。ただし、手術にはメリットだけでなくデメリットもあるため、慎重に選択する必要があります。

手術の種類

脊柱管狭窄症の手術は、除圧術と脊椎固定術があります。除圧術は、脊髄の圧迫を取り除くための手術で、脊椎固定術は椎間が不安定な場合に骨を移植したり、椎弓スクリューをロッドやプレートで連結したりする手術です。除圧術のみ行う場合と、除圧術と脊椎固定術の両方を行う場合もあります。

手術の手法はオープン手術と内視鏡手術の2種類があり、症状に合わせて選択します。オープン手術は、切開して直接脊椎を触りながら施術し、内視鏡手術は切開せず、内視鏡下で施術する手法です。どの方法で行うかは、医師と患者が話し合って決めるのが原則です。術後1か月ほどで腰痛や下肢痛などが改善し、6か月ほど経つと腰椎の機能が改善します。

脊柱管狭窄症の予防方法

脊柱管狭窄症を予防するためには、避けるべきことと実践すべきことがあります。症状を予防するために、できることから始めるのが良いでしょう。

避けるべきこと

脊柱管狭窄症を予防する上で避けるべきことは、腰を反らす動作です。腰を反らせると、脊柱管が狭くなるため、症状が悪化してしまいます。姿勢を正そうとして体を反らす運動やストレッチをすると、悪化する可能性があります。筋力を鍛えようとして、ウォーキングをしたり、筋トレをしたりするのもおすすめできません。症状を悪化させる行動は、極力避けるようにしましょう。

実践すべきこと

脊柱管狭窄症の改善には、背中を丸めるストレッチが効果的です。背中を丸めることで脊柱管が拡がり、腰回りの筋肉が伸びて症状が緩和されます。ただし、背中を丸めるだけでは筋肉が固くなり、痛みが助長される可能性もあります。そのため、ストレッチ後は腕を枕にしてうつ伏せになり、少しだけ腰を反らす体勢にすると良いでしょう。長時間ではなく、2~3分ほどにとどめてください。自転車を漕ぐ動きは、痛みが出にくいため、筋力をつけるためにおすすめのトレーニング方法です。ただし、症状によっては脊柱管狭窄症が悪化する可能性もあるため、注意が必要でしょう。

新しい治療法の進展について

最新の研究によれば、脊柱管狭窄症に対する新しい治療法が開発されています。その一つが再生医療を利用した治療法で、損傷した神経や組織の修復を目指すものです。この治療法はまだ研究段階ですが、将来的には多くの患者にとって有効な選択肢となる可能性があります。また、低侵襲手術技術の進展により、手術後の回復期間が短縮され、患者の負担を軽減することが期待されています。これらの新しい治療法については、医師と相談し、自分に適した治療を選択することが重要です。

まとめ

脊柱管狭窄症の治療法の選び方は、症状や検査結果に基づきますが、まずは保存療法を試し、その後に手術を検討する流れです。保存療法は主に痛みを緩和するためのもので、ブロック注射や薬物療法が一般的です。手術には除圧術や脊椎固定術などの方法があり、症状に応じて選択されます。治療中は、ウォーキングなどの活動を避け、背中を丸めるストレッチで痛みを緩和すると良いでしょう。適切な治療と日常の工夫を組み合わせて、脊柱管狭窄症の改善を目指してください。

コメント