腰椎ヘルニアの再発を繰り返して生活に大きな支障をきたし、つらい思いをしている方も少なくありません。そこで腰椎ヘルニアを繰り返さないためにも、適切な再発予防策を知りたいと思っている方も多くいらっしゃるでしょう。この記事では、腰椎ヘルニアとは何かを解説し、そのうえで再発予防のコツも紹介します。繰り返す腰の痛みに悩まされている方は、ぜひじっくり読んでみてください。
腰椎ヘルニアとは？
腰椎ヘルニアとは腰の椎間板から髄核（ずいかく）が飛び出してしまい、その近くを通る神経が圧迫され、痛みやしびれがでてしまう病気です。
腰椎とは腰の骨に当たる部分であり、腰の骨は背骨からお尻の骨までの一部になります。腰の骨は椎体と呼ばれる骨が積み重なっており、その椎体の間をつないでいるのが椎間板です。
腰椎ヘルニアは、その椎間板の中にある髄核と呼ばれる組織が、何かしらの理由で飛び出し神経を圧迫して発生します。腰の痛みやしびれだけでなく、足に影響を与えることもあり、歩きづらくなるなど身体にさまざまな症状をでてしまうことがあります。
原因とは？
腰椎ヘルニアの原因として考えられているのが加齢や腰への負荷です。加齢により髄核を取り巻く線維輪が弾力を失われてしまうと、小さな亀裂が入ります。その結果、髄核の一部が外に飛び出し、その飛び出した髄核が神経を圧迫するため、痛みやしびれにつながるのです。
腰に負担のかかる姿勢（中腰）での長時間の作業や重い荷物の持ち運びなども、腰椎ヘルニアの原因とされることがあります。椎間板に強い負荷がかかることで、加齢の症状と同じように髄核の一部が外に飛び出す可能性があります。
なお、重いものを持ち上げるだけでなく、何かを引っ張る、体をひねるといった動作にも注意が必要です。長時間の立ち仕事や長時間の座り仕事など同じ姿勢を続けることも、腰椎ヘルニアの原因として取り上げられることがあります。
どのような人に多い病気なの？
20代から40代の男性に多い病気で、子どもや高齢者がかかるケースは少ないと言われています。喫煙者の方も、比較的腰椎ヘルニアにかかりやすいとされています。なお、特定のスポーツをしている人がなりやすいといったことはないようです。
腰椎ヘルニアの再発予防のコツ6つ
腰椎ヘルニアは再発しやすいことでも知られています。ここでは、腰椎ヘルニアの再発予防に関する6つコツをご紹介します。
定期的なストレッチ
腰椎ヘルニアの再発予防として、とくにおすすめされているのがストレッチです。ストレッチをすることにより、腰椎の過剰な運動を避ける効果が期待できます。そもそも背骨や股関節の受難性が失われると腰椎が過剰に動き、椎間板への負担が増えるので注意しなければなりません。
ストレッチでおすすめは、股関節ストレッチです。足の付根をストレッチするもので、腰椎が股関節の動きを補って過剰に曲がることを防いでくれます。
股関節のストレッチをする際には、まずは仰向けに寝ます。右足を両手で抱え、できる限り胸に近づけて股関節を曲げましょう。その状態を30秒キープできたら、左足も同様におこなってください。
長時間同じ姿勢をしない
座っている・立っているなど、長時間同じ姿勢を取り続けないように注意しましょう。同じ姿勢のままでも、腰に思わぬ負担がかかっています。適度に休憩し、腰回りの緊張をほぐして負担がかからないように工夫してください。
タバコを減らす・禁煙する
タバコも腰椎ヘルニアに影響を与えるとされています。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、栄養が細胞に行き渡らなくなって腰椎ヘルニアのリスクを高めると言われているのです。
また喫煙によりビタミンCの吸収が阻害されるのも問題です。ビタミンCは椎間板にあるコラーゲンを作る際に必要な物質であり、不足すると椎間板の強さや柔軟性が損なわれる恐れもあります。
筋力を強化する
筋力強化は、腰椎ヘルニアの再発予防に大きな役割を果たしてくれる可能性が高いとされています。腰椎の椎間板を支える腹筋や背筋を鍛えられれば、椎間板にかかる負担を減らせるからです。
ただ、腰の負担のかかるような筋トレは逆効果になるので注意しましょう。おすすめは仰向けでおこなえるような腹筋運動です。横向きに寝て足を上げる運動は、インナーマッスルの強化になるので積極的におこなってみてください。
コルセットの装着は限定する
腰椎ヘルニア発症時に利用してしまいがちなのがコルセットです。痛みが強いときの着用は問題ありませんが、日常的に使い続けると腰回りの筋力が落ちるケースもあるので注意が必要です。
痛みがある部分のマッサージを避ける
腰に痛みがあるとマッサージ店に行く方もいるでしょう。ただ、腰椎ヘルニアは筋肉のコリではなく、神経の圧迫です。専門知識がないセラピストやマッサージ師によるマッサージは、痛みやしびれを悪化させる恐れがあるので注意しましょう。
まとめ
腰椎ヘルニアは、腰の椎間板から髄核（ずいかく）が飛び出してしまい、その近くを通る神経が圧迫され、痛みやしびれがでてしまう病気です。生活に支障をきたすだけではなく、再発率の高い病気としても知られています。再発予防のコツとしては定期的なストレッチや長時間の同じ姿勢を避ける、禁煙するなどがあります。とくにストレッチはおすすめであり、腰椎ヘルニアに効果的とされる股関節ストレッチを紹介したので、ぜひおこなってみてください。
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