腰椎ヘルニアの特徴とは?勘違いしやすい疾患について解説!

腰痛コラム

腰痛に悩まされる人は多くいらっしゃるでしょう。腰痛の原因となるものは人それぞれ異なり、比較的多いとされるのは、今回紹介する腰椎ヘルニアです。若い男性の間でよく見られる症状とされ、基本的に安静にしていることが重要と言われます。そこでここでは、腰椎ヘルニアの特徴や一見似ているけれども異なる代表的な疾患について紹介します。

腰椎ヘルニアの特徴について解説

腰椎ヘルニアとは、腰椎の中にある椎間板が飛び出すことによって神経を圧迫し、腰に痛みやしびれを引き起こす疾患です。腰痛は高齢者に多く見られる疾患ですが、腰椎ヘルニアに関しては20〜40代の若い男性でも多く見られるのが特徴です。

急性型と慢性型

腰椎ヘルニアには急性型と慢性型の2種類に分類できます。急性型は文字通り、ある時急に発症するものです。たとえば重たい荷物を持ち上げようとしたとき、くしゃみをしたときなどに発症します。最初のうちは強烈な痛みを伴うこともあり、歩くこともままならない場合もあります。しかし時間の経過とともに軽くなっていくのが一般的です。

慢性型の場合、腰や足に鈍痛や軽い違和感があります。ただ日常生活に支障をきたすような症状ではありません。しかしそのまま放置していると、悪化する可能性があります。しばらくすると坐骨神経痛と呼ばれる鋭い痛みが走るかもしれません。刺すような痛みよりはむしろ、電気が走ったような痛みとよく言われます。しびれを感じたり、筋力が低下したりする場合もあるので、立ち上がったり歩いたりするのが困難になる場合もあります。

常に痛みがあるわけではない

腰椎ヘルニアの特徴として、常に痛みがあるわけではない点も見逃せません。腰椎ヘルニアの場合、背中を伸ばしているときには比較的痛みが軽減します。たとえば体を横にして眠っているときには、立っているときに比べて痛みが軽くなります。逆に前かがみなど、背中を丸めるような動きをした場合には、神経の圧迫が強まって痛みやしびれが強くなるのも特徴です。

重度になると痛みが失われる

腰椎ヘルニアの特徴として、慢性化して重度になると痛みが失われてしまう点も挙げられます。痛みだけでなく、全体的な感覚がなくなっていくので排尿や排便のコントロールが難しくなります。これは「馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)」と呼ばれる症状です。ここまでくると重篤な症状なので、病院で早急に手術をしなければなりません。

腰椎ヘルニアに似た特徴を持った疾患について紹介

腰に痛みやしびれを感じる場合、腰椎ヘルニアの可能性が高いと言えます。しかし腰椎ヘルニアとは異なる疾患という可能性もあります。ここでは腰椎ヘルニアと似た症状を持つ腰の疾患についていくつか紹介しましょう。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)とは背骨の中の脊柱管と呼ばれる部分が変形して、神経を圧迫することで発症する疾患です。足の痛みやしびれが出るのは腰椎ヘルニアに似ています。しかし腰部脊柱管狭窄症の場合、間欠跛行(かんけつはこう)と言って歩いてしばらくすると痛みが強くなるものの、しばらく休むと痛みがなくなるのも特徴です。

ぎっくり腰

ぎっくり腰はよく言われる症状ですが、医学的な病名ではありません。急に発症する強い腰の痛みのことです。椎間に軽度の亀裂が起きることで痛みを感じると言われます。腰に強烈な痛みを感じる一方で、腰椎ヘルニアのように足にかけて痛みやしびれを感じることはありません。最初は動けなくなるほどの強い痛みを感じるものの、約1週間もすれば痛みが徐々に治まっていくのが一般的です。

腰椎分離症

スポーツなどで腰を酷使し続けることで、疲労骨折を起こすことが原因の疾患です。腰を反ったり、ひねったりする運動で痛みが強くなります。

腰椎ヘルニアの場合、20〜40代の比較的若い成人男性の間で多く発症する病気と言われています。一方腰椎分離症は、成長期の子どもに多く見られる疾患です。子どもでスポーツを日常的に行っていると、この病気を発症するリスクが高まります。

腰椎分離症を発症したら、速やかに医療機関を受診するのがおすすめです。もし疾患を放置したら、症状がどんどん進行する可能性もあるからです。そして中年になったときに、腰椎分離すべり症と呼ばれる疾患を発症する恐れがあります。

まとめ

腰痛は多くの人が抱えている慢性的な疾患の一つです。その中でももし腰痛だけでなく、足の部分に痛みやしびれなども感じるようであれば、今回紹介した腰椎分離症を発症しているかもしれません。腰椎分離症は重たいものを持ち上げたり、くしゃみをしたりなどで発症する場合もあります。急性型の場合、1週間もすれば痛みはかなり引いてくるでしょう。だからと言って放置をしていると、慢性型になっていく可能性もあります。

腰椎分離症に似た別の疾患を抱えている可能性も考えられるので、腰に痛みを感じたら早めに医療機関へ受診するのがおすすめです。腰椎ヘルニアも適切な治療をおこなえば、完治できる可能性も十分あるので、検討してみましょう。

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